伸芽会の教師がつづるエッセーです。教育や子どものこと、自分自身の近況など、普段感じていることをつづっていきます。
○必要以上に過保護に育てていませんか?新しいことに挑戦させ、自立心を養いましょう。
「ガッチャーン」食事の後、お母さんからコップの片付けえを頼まれたゆきちゃんでしたが、手が滑ってコップは足元で割れてしまいました。お母さんを喜ばそうと、ウキウキしながらお手伝いをしようとした雪ちゃんはショックで、その場に立ち尽くしてしまいました。さて、お母さんならどうしますか?1.不注意をしかり、当分の間コップには触らせない 2手伝いはありがたいけれど、割れた後始末が大変だから、今後は割れないものだけを片付けられる 3まずは「じっとしていなさい」といって、ガラスの破片を取り除いた後、落とした原因を聞き、「これから気をつけてね」と失敗したことをとがめない。1と2では、ガラスのコップを割らずに扱うための危険学習がいつまでたってもできません。コップは危険なものだと理解して始めて、丁寧に扱うことを学ぶのです。こうしたことを小学校入学までに体験していないと、給食に使う食器を乱暴に扱うようになりかねません。3の対応であれば、まず、ガラスの破片が危険なものであることが理解できます。そして、なぜ落としたか、どうすれば落とさないかをお母さんと一緒に考えることで学習が成り立ち、同じ過ちを繰り返さないように心がけるようになるでしょう。それにひきかえ1と2では、お母さんと一緒に何かやりたいという意欲を摘み取り、お子さんの自立の妨げになってしまいます。3のお母さんは、結果よりプロセスを大切に見てあげ、励ましながら、自立心を育てようとしているのですね。自立心を養うには、幼児に包丁を使わせることもひとつの方法です。包丁は切れるもの、危ないものであることをわからせ、輪切りにした大根など、切りやすいものから切らせてみます。子どもは、包丁を使うことによって、手先が器用になり、野菜などの知識も同時にみにつけていきます。親の手を借りずに、新しいことに挑戦しながら、ひとつひとつ体験を積み重ねていくことが必要なのです。