伸芽会の教師がつづるエッセーです。教育や子どものこと、自分自身の近況など、普段感じていることをつづっていきます。
○合格する家庭に「共通項」とは?子どもが自立できる生活習慣をつくりましょう。
今年も私立小学校の入学試験がほぼ終わりました。毎年多くのお母様に接していますが、合格されるご家庭には、一つの共通項があるようです。それは、ご家庭の教育環境がしっかりしていること。例えば志望校に合格した女の子のお母さん。お母さんいわく「以前は、娘に『自分のことは自分でしましょうね』と口では言いつつも、すぐ娘の行動手伝おうとしていました。でも受験を考えるとそれではいけないんですよね。本番の入試では、衣服の着脱テストなど、自分のことは自分でできないと困る場面も多くあります。だから、親にとっては辛かったのですが、手を出したくなったら我慢するようにしました。着慣れない服を着るときでも、覚束ない手つきで服のボタンをしめ、『ママ!できたよ!』と無邪気に喜ぶ娘の姿に、過保護にならないことの大切さを教えられました」確かに、時間のない朝などにゆっくり着替える子どもを見ていると、どうしてもイライラしがち。でも女の子のお母さんは、そこをぐっと我慢し、こどもが自立できる環境を作っていったそうです。あいさつに関してもこのようにお話しされていました。「『おはよう』、『いただきます』、『おやすみなさい』。最低限、この3つを家族全員で守るように決めたのですが、始めた当初は忙しさにかまけて曖昧に済ましてしまうことも。でも、娘はそんなときも常に大きな声で『ママ、おはよう!』と…。自分のいたらなさを感じ、それからはどんなに忙しくとも、必ず娘の目を見てあいさつするようにしました。」小学校の入試は「親の試験」とも言われます。言い換えれば、家庭教育のあり方がテストというスクリーンに現れる、といっても過言ではありません。自分のことは自分でやらせ、あいさつをキチンと励行させる…家族が協力し、子どもが自立できる家庭環境をつくることが大切なのですね。