受験に関する皆様からのお悩みに、伸芽会のベテラン教師がお答えします。
Q どちらかというとおとなしいほうなので、幼稚園受験に向けてお友だちとの関わりが上手にできるか不安です。(2歳児・女の子のお母様より)
子どもにとって環境はとても大切です。特に年齢が低ければ低いほど、周りからの刺激を素直に吸収していきます。ご両親が多くの人と関わり、楽しく話しているようすを見せれば、お子様も人との出会いを自然と楽しむようになっていくでしょう。2歳児はまだ一人遊びに夢中になっている年齢ですので、お友だちとの関わりは多く無いかもしれません。ただ、自我が目覚め、自分の気持ちを通そうとする姿勢が強くなってくる時期です。この時期は、いけないことはいけないとけじめをつけてはっきりと伝えたり、物や人を大切にできたときには大いにほめたりしてあげましょう。物事の善し悪しをはっきりと伝えずにわがままをそのままにしてしまうと、それが当たり前だと思い、子ども同士のコミュニティになじめなくなる場合があります。また「うちの子はおとなしい性格だから」と言って、心配そうにしたり、子どもを囲い込んでしまったりするのは禁物です。子どもを守っているばかりでは、お友だちとの関わりに積極的になるどころか、ますますご両親をはじめ他人に頼ってしまうことになるでしょう。そうならないためにも、親子で積極的に近所の公園、公共の場などへ出向き、できるだけ同年齢のお友だちと遊ぶことをお勧めします。「こんにちは」の挨拶をはじめ、「一緒に遊ぼう」「貸して」「どうぞ」「ありがとう」など、子どもがすぐにまねて伝えられるような言葉をお母様が使ってみせ、お母様自身も遊ぶことを楽しんでください。子どもの最初の行動は、お母様や周りのようすを見てまねることから始まります。その場で遊ぶことができるようになり、徐々にお友だちと関われるようになったら、そっと身を引くようにしましょう。時には子ども同士でけんかをすることもあるかもしれませんが、危険のない範囲なら介入せずに見守りましょう。おとなしかった子どもがけんかをするまで自分を主張できるようになることは喜ばしいことです。けんかから学ぶことを大切にすることで、子どもはお友だちとの関わり方を学び、ますます成長していきます。いろいろな場所で、いろいろな人と関わる楽しさを実感させ、お子様自身の社会性をはぐくんでいきましょう。