受験に関する皆様からのお悩みに、伸芽会のベテラン教師がお答えします。
Q 穏やかで競うことが苦手な性格なので、受験を乗り越えられるかどうか心配です。どのように取り組んだらよいでしょうか。(年中・男の子のお母様より)
A 小学校受験では、知識の量を考査されるのではなく、その子どものもっている素質と年齢相応の総合的な力が見られます。きちんとした基本的生活習慣が身についているかどうか、まわりのお友だちと仲よく関われているかどうかも大切です。競争をして打ち勝った子が合格を得られるというわけではありません。お子様の穏やかさは長所でもありますから、よいところをほめて伸ばす一方で、お友だちに自分の気持ちや意見をしっかりと伝えられるようにしていけばよいのです。現在年中であれば、まず基礎力を身につけていきましょう。小学校受験では、ペーパーテストでも行動観察でも「聞く力」が基礎になります。どんな課題でも口頭で指示されるので、指示の内容を聞きとる力が求められます。また、聞くことはできても意味を理解できないこともあります。ご家庭での絵本の読み聞かせや親子の会話から語彙力を増やしていくことが大切です。指示を聞きとり、自分で考え、行動や言葉で表すためには、集団活動の積み重ねが必要になります。行動観察の考査は、お友だちと相談をして一つのものを作り上げたり、自由遊びやゲームをしたり、課題はさまざまです。お友だちと関わる上で輪を乱したり、お友だちの意見を否定したりといった勝手な行動は好ましくありません。初めての集団のなかでも物怖じせず、自分の意見や提案をしっかり伝えると同時にお友だちの意見を聞きいれ、とりまとめる力が見られます、穏やかというよい点を集団のなかでアピールできれば好印象です。また、楽しんで参加できているかどうかも大きなポイントです。授業などで体験量を増やして社会性、協調性を培っていきましょう。ご家庭では、いかなる場面でも本来の力を発揮できるように、結果だけを求めるのではなく、がんばった過程を認め、ほめてあげてください。また励ましの言葉をたくさんかけてあげるよう心がけてください。穏やかでありながらも、芯のしっかりとした心の逞しさと人へのやさしさをもつことが合格への第一歩となります。