小学校受験で問われるのは、ご両親の育児姿勢。「合格につながる力」を育てる家庭教育について、伸芽会教師が思いを綴ります。
お子様が大きく成長できる初夏は、親子で一緒にスケジュールを立てて実行し、自主性や自立心をはぐくんでいきましょう。
若葉に風薫る頃を迎え、平成24年度小学校入試まで半年を切りました。園ではひとつ上の学年にあがり、新しいお友だちや先生、場所に慣れてくるとともに、「何でも自分でやってみたい」という意欲や自立心が高まっているのを感じられることでしょう。2~3歳児は自我が芽生え、年中児は豊かな想像力がはぐくまれ、そして年長児は理性とともに実践力や応用力が伸びる時期でもあります。ここでは、お子様が大きく成長される初夏に、ご家庭で取り組んでいただきたいことについてお話しいたします。まず生活においては、2~3歳児であれば「服を脱いだらここに置こうね」など親子間での約束事を決めましょう。年中児・年長児は、お手伝いや課題などに取り組む時間帯や曜日のスケジュールを立てて、お子様の自主性を促すとよいでしょう。スケジュールを立てる際のポイントは〝親子で一緒に決めること〟〝予定を変更する場合も親子で相談して決めること〟です。そして、毎朝新聞をとってくるお手伝いを任せているなら、「毎週日曜日に、まとめてひもでしばってくれる?」と手先を使う作業につなげたり、1週間分のおやつのメニューを一緒に決めているなら、「おやつの材料を月曜日にまとめて買って、火曜と木曜は一緒に作りましょうか」と料理の体験をさせたりと、スケジュールに関連した作業を通じて、生活のなかで巧緻性や思考力を高めていくことができます。まだ幼児ですから、お手伝いをするにしても手順や段取りを考えて効率よく行うのは難しいものです。そんなときは、「こうしなさい」と教え込むのではなく、お母様がお子様の前でお手本を見せてあげればよいのです。学習面においては、「○時になったら、お絵描きする時間になるね」「あと○分で終わりの時間よ」など、スケジュールで決めた時間を意識しながら進めることで、お子様の集中力や忍耐強さも伸ばしていきましょう。お母様の心構えとしてお願いしたいのは、〝待ってあげること〟と〝満足させてあげること〟です。ぱっと切り替えることができず、時間通りに進まなくても、いらいらせずに待ってあげること。そして、お子様がうまくできないことがあっても、失敗を責めないことです。お子様が達成できそうな課題や時間配分を考えて、「自分でできた」という満足感を多く与えることで、お子様の「またやりたい」という気持ちにつなげてきましょう。また、単に「できた」「できない」ではなく、「お母さんはこう思っているのよ」「お父さんがこうほめていたわよ」とご両親の思いを伝えるころも大切です。がんばっていることを身近な人間が認めてほめることで、お子様に確固たる自信がつき、さらなる意欲につながります。5~6月は、基礎の土台を固めて応用力・実践力をも伸ばしていく時期に入っていますので、理解があいまいなようであれば、繰り返し体験させてしっかり理解できるように導いてあげる必要があります。授業で扱った課題はそのまま終わりにせず、具体物などを使ってご家庭で何度も体験させましょう。教室指導と連動して毎月提供している「2.3歳、年中、年長対象の家庭学習プログラム」を有効にお使いください。最後に、ご両親の準備についてお伝えします。5~7月頃に多く開催される学校説明会に参加するとともに、インターネットや本などから学校に関する情報を収集し、まとめておいてください。また、夏以降に焦らないためにも、願書の記入事項や面接の準備を進めておくとよいでしょう。お父様とよく話し合い、お子様への思いが同じであることを再確認していただき、改めて合格をめざしてご家族が一丸となって進まれることを願っております。