受験に関する皆様からのお悩みに、伸芽会のベテラン教師がお答えします。
Q 親子ともども緊張しやすい性格で、面接でうまく伝えられるか心配です。どのような準備をしておけばよいでしょうか。(年長・男の子のお母様より)
A 「緊張しやすい」とお悩みの親御さんに共通するのは、「とにかく練習をしなければ」と考えて、一言一句覚えた通りに答えようとし、余計に緊張してしまう状況に陥りがちな点です。緊張は「よりよい評価を得なければならない」という気持ちに起因しますは、親御さんのそうした気持ちがお子様に伝わると、お子様は失敗を恐れて話さなくなることも有ります。親御さんが緊張すれば、お子さんも必ず緊張しますから、まずは親御さんが肩の力を抜くことが大切です。お父様、お母様がリラックスされると、お子様も自然にリラックスしていきます。では、具体的にどうすれば親御さんの緊張を和らげられるでしょうか。第一に、志望校の想定問答集を見て、志望動機など必ず聞かれる質問の要点をリストアップしてください。長い文章ではなく、箇条書きで「これだけは伝えたいこと」に要点を絞るのがコツです。本番でも要点だけを頭に入れておき、自然体で話しをすればリラックスできるでしょう。お子様の緊張をほぐすには、ご家庭での面接練習が効果的です。ドアを叩き、挨拶をして着席する入室・退室の練習や、椅子に座って向かい合ってお話しをする練習など、面接時と同じ状況に慣れておくと、安心感が高まります。緊張しがちなお子様に関しては、自信が持てるようにうんとほめてあげてください。面接練習の際も、「いっしょにいるから大丈夫だよ。パパもがんばる。ママもがんばる。だから一緒にがんばろうね」と声をかけてあげることが大切です。こうして家族の一体感が生まれることが安心につながります。あるお子様の場合、やや内気な性格で親御さんも心配していましたが、ご家族で励ましながら練習を重ねるうち、安心した表情を見せ、しっかりとお話しもできるようになり、合格を果たされました。肝心なのはお子様の性格傾向でなく、自信と安心感を与えてあげることなのです。いくら準備をしても、試験当日はやはり緊張するものです。大切な試験の日、緊張するのは自然なことでもあります。入学したいという、強い思いがあるからこそ緊張するのですし、緊張するからこそ伝わる真面目さ、ご家庭のよさがあります。緊張を全くなくそうとするのではなく、よい方向に生かすようにして、家族で支えあい、本番に臨んでください。