「ボクが、ボクが!」と自己主張の激しい子、マイペースな子、引っ込み思案な子、集中力が続かない子……。お母様の悩みは尽きませんが、どうぞ焦らないでください。欠点の背景には、光る個性がかくれています。それを見極め、集団の中で輝くように伸ばすことが、名門校の合格につながるのです。伸芽会では、型にはめることをせず、お子様の持つ、それぞれのよさを引き出す指導を行っています。その一端を、ご紹介しましょう。
Case 3 引っ込み思案な子から、表現できる子へ 引っ込み思案なお子さんは、周囲を冷静に見ることのできる頭のいい子。不安を取り除き、言葉を引き出します。
答えは一つでない、と伝える 引っ込み思案で、人前が苦手。上のお子さんがしっかりしていて頼る癖がついていたり、一人っ子で大人に囲まれて過ごす時間が長かったりするお子さんに多い特徴です。家の中では大人と会話ができる面白い子なのに、ということもよくあります。このタイプのお子さんは、語彙が豊富で周囲を冷静に観察することのできる〝賢い子〟であることが多いのです。自分に何が求められているのかを考えてしまうからこそ、間違うことが怖くて、行動できずにいます。まずは、いろいろなタイプの子どもがいる集団の中に身を置く経験が必要です。教室では、「今日、何を食べた?」などの、だれでも答えられる質問で緊張を取り除き、お友だちの質問から、答えは一つだけではないことに気づかせます。自分とまったく違うタイプのお友だちと接し、観察したり、真似したりする中で、「自分はこれでいいのだ」という自信がついていくのです。知っている場所に慣れたら、ほかの教室に行ってみます。初めての先生、初めてのお友だちに触れて最初はとまどいますが、「この先生にもほめられた!」という経験は大きな自信になります。そうなれば、自分から行動できるようになるまで、もうすぐです。伸芽会の野外スクールではお母様と離れて過ごしますが、これが自立を促し、帰るころには大きな声で歌が歌えるなど、劇的な変化をとげることも珍しくありません。協調性のあるこうしたお子さんには、大人びてきちんと振る舞うことが評価される女子校全般や、学習院など歴史のある名門校が向いていると言えるでしょう。 表現力を引き出すこんな言葉がけ 「それはいいね!それで、それで?」 大人が興味を持つことで、子どもも引き込まれます。みんなを巻き込んで話がふくらみ、引っ込み思案なお子さんも自然と話せるようになります。
Case 4 集中力が続かない子から、好奇心旺盛な子へ じっと座っていられないのは、学習に慣れていないだけ。知識を知恵に応用するきっかけ作りを。
じっと椅子に座っていられない、落ち着きがない―これは、お母様方からとてもよく寄せられる、お子さんの悩みです。理由は、学習環境に慣れていないことにあります。経験がないので興味を見い出せず、集中力が続かないのです。でも、何にも興味を示さないという子どもはいません。好奇心を刺激し、興味を引き出すことで、驚くほどの集中力を発揮するのが子どもです。このタイプの子どもは、知識は十分に持っていますが、それを知恵に応用するきっかけを必要としています。教室ではまず、集団の輪の中に入るところから始めます。全員が答えられる「朝ご飯、食べてきた人?」などの質問で、みんなと同じなんだという安心感を得、そこからだんだん個別の質問をしていくと、自分と人との違いを認識するようになります。人の答えに興味を持ったら、それを学習面に導いていくのです。例えば、それぞれが拾ってきた落ち葉の違いから興味を引き出し、常緑樹と落葉樹、樹木の名前を、自然な流れで学ばせることができます。世の中の多様性に気づき、系統立てることを覚えたお子さんには、創造力が生まれます。これこそが知恵なのです。創造力を得たお子さんに向いているのは、慶應など大学附属の一貫校。ペーパー以外の、発想力を重視する学校に強いでしょう。ご家庭では、大きな目標を立て、それに向けて毎日何かを続ける習慣をつけてください。夏休みの富士登山を目標にして、できるところから毎日運動を続けて見事に果たしたご家庭がありますが、お子さんは大いに自信をつけ、名門校へも合格しました。 好奇心を促すこんな言葉がけ 「これはいいね。でもあの子は○○だったね」 人と違っていてもいい、ということを伝えるためにほめ、その後にほかのお友だちを意識させます。そこから周囲への興味が生まれてくるのです。