「ボクが、ボクが!」と自己主張の激しい子、マイペースな子、引っ込み思案な子、集中力が続かない子……。お母様の悩みは尽きませんが、どうぞ焦らないでください。欠点の背景には、光る個性がかくれています。それを見極め、集団の中で輝くように伸ばすことが、名門校の合格につながるのです。伸芽会では、型にはめることをせず、お子様の持つ、それぞれのよさを引き出す指導を行っています。その一端を、ご紹介しましょう。
Case 1 自己主張の強い子から、思いやりのある子へ 「ボクが、ボクが」と自己主張の強いお子さん。実は、相手を思いやることを学ぶと高いリーダーシップを発揮します。
先回りせずに、じっくり話を聞く 自己主張の強いお子さんは、聞いてほしいことを胸のうちにたくさん持っています。それなのに、ご家庭での対話の時間がちょっと少ないのかもしれません。とりとめのない話でも、面倒がらずに耳を傾けることが大切です。お子さんの話を遮って、大人の言うことを聞かせるばかりでは、「ぼくの話は聞いてくれないのに…」と不満に思うのも当たり前。子どもは大人を映す鏡です。私はよく、「待つ勇気も必要ですよ」と申し上げるのですが、ご家庭でもお子さんの言いたいことを先回りせず、対話の時間をたくさん持っていただきたいと思っています。実は、自己主張が強いというのはたいへんな長所です。自分から意見を発信できるということは、多くの場面でリーダーシップをとることにつながります。そこで必要なのは、自分のことばかりでなく、周囲を助ける思いやりの芽生えを導くこと。集団の中でのリーダーと位置づけた上で、「ほかの子を助けてあげられるって、かっこいいね」と言葉がけをします。このタイプのお子さんは、〝できる子〟であることが多いので、まずはそこを認めてあげ、周囲への意識を促すのです。自分の意見をしっかり言えるこうしたお子さんに向いているのは、慶應や早稲田など、行動観察が試験の核になっている学校です。合格するためには、知識として蓄えた〝総合力〟を、いつでもどこでも誰とでも発揮できる〝実践力〟にまで昇華する必要があります。教室ではそれを踏まえて指導しますが、発信力の高いお子さんは、指導の効果が出るのも早いものです。 思いやりを引き出すこんな言葉がけ 「よくできたね。ほかの子も助けてあげて」 できる子は、できることが当たり前であるため、意外とほめられていません。まずは、認めてあげること。その上で、ほかの子へと意識を向けさせます。
Case 2 マイペースな子から、協調性のある子へ 時間配分が苦手でのんびりマイペース。でも、やる気がないわけではないのです。時間と周囲を意識すると大きく変わります。
まずは周囲に目を向けることから 気持ちにムラがある、みんなで決めたことより自分がやりたいことが優先。こうしたマイペースなお子さんは、集団の中に必ずいます。でも、決してやる気がないわけではないのです。本人は楽しんでいるケースがほとんどで、ただほかの子とタイミングが合わないだけなのです。時間を意識しながら行動することに慣れていないことも特徴的です。教室ではまず、周囲に目を向けることから始めます。「あの子は何をしているのかな?」と問いかけ、いまは何をする時間なのかに気づかせるのです。自分が何をするbwきかわからないときは、「お友だちに聞いてみようか」と促します。このように自分から周囲に働きかけ、みんなで何かをすることの楽しさに気づくことから、協調性は養われていきます。もう一つの課題である時間配分については、「長い針が5になったら次のことをしましょう」と時計を意識させるほか、ストップウォッチで時間の速さを実感させると効果的です。また、お友だちとチームで競争すると、互いに声をかけあい、人を待たせてはいけないことに気づきます。2~3カ月もたつと、決められた時間から逆算して片付けるなど、計画に沿った行動がとれるようになりますので、ご家庭でも焦らず取り組んでください。教室によっては「スピードアップクラス」という特別なプログラムもあり、時間を意識して自信を持たせるようにしていきます。このタイプのお子さんには、青山学院や学習院、立教などが向いています。個別項目を重視し、その子の発想や工夫をよく見てくれる試験内容なので、個々の輝きが目に止まりやすいでしょう。 時間への意識を促すこんな言葉がけ 「今から30秒で片付けられるかな?」 たとえ30秒を越えてしまっても、「30秒でできたね!」とほめると、子どもたちは俄然やる気を出します。そのうち、本当に時間内にできるようになるのです。