小学校入試はもちろんのこと、入学後の教科学習の土台となる「国語力」。「国語力」とはいったいどんな力なのか、どうすれば伸ばすことができるのか。年齢によって自然に身につく力ととらえられていますが、ポイントを押さえることで、飛躍的に伸ばすことができます。今回の特集では伸芽会のノウハウを紹介します。 先生 伸芽会でいう「国語力」とは、「聞く力・話す力・書く力」と、それらを司る「考える力」を、トータルに指しています。具体的には、正しく話を聞いて、正しくその内容を理解し、それを正しく表現することです。入学考査に用いられるさまざまな課題は、この「国語力」がベースになっていると言えます。伸芽会では、小学校2年生程度の国語力を目標にしています。
Practice4 考えを伝える 大きな声でしっかりと
考えをまとめられるようになったら、それをはっきりと人に与える練習をしていきます。口頭試問の練習では、質問に対して答えるときに、語尾までしっかりと話すことを指導します。その際に「今の返事よかった」「声がこの間より大きくなったね」というように、ピンポイントでほめるようにします。すると子どもはどこをほめてもらえたかがわかるので、自信を持てるようになります。特に行動観察におけるステップですが、友だちとのやりとりの中で、まずは自分の言いたいことを言えるようにします。それができるようになった子には、「あなたは話が上手だから、うまく言えないでいるお友だちに話を聞いてあげるお仕事をしてください」と役割を振り、まだうまく言えない子には「お友だちから聞かれたら、何か言ってみようよ」とうながします。そうやって一人ひとりが自分の思っていることを話せるようになってくると、自分の考えが受け入れられる楽しさを感じられ、ますます考えを伝える力がついてきます。
楽しみながらことばの力がグングン伸びる!伸芽会「国語力」レポート
1 個人面接[年長クラス]教室の3辺に、4人の教師が壁を背にして机を置き、名前を読み上げると、子どもたちは「はい」と返事をして、それぞれの机の前に置かれた円い輪の中に入り、「こんにちは」と言って真っ直ぐに立ちます。実際の面接で問われるいくつかの質問が、教師によって子どもに向けられ、子どもはそれにしっかりと答えていくのです。教師は「得意なことは何ですか」「好きなお話は何ですか」「好きな動物は何ですか」「どんなところが好きですか」「それはどうしてですか」などの質問をしたあと、「はい、これでおしまいです。元気にお話しできたところがよかったです。もうすこし大きな声で、にっこり笑えるともっとよかったね」といった感想を述べ、面接は終了します
先生からの授業別コメント<個人面接> 面接を何回か重ねていると、子どもたちもだんだん慣れてきて、この質問はこう答えようという感じが出てきます。それと個人面接にあたって、あいさつは自分からするものだということをずっと教えていますが、だいぶそれが実行できていたと思います。また、一問一答式の質問にはすぐに答えられても、これこれこういうときにどうしますか、といった、その場で考えて答えを出さなくてはならない質問には、とまどうお子さんが多いです。たとえば『うらしまたろう』のお話が好きだと言ったお子さんに「どんなところが好きですか」と聞いて、答えられずに困ってしまった場合は、「亀を助けてあげるところなのかな、それとも龍宮城に行ったところなのかな」とヒントをあげながら進めています。