小学校入試はもちろんのこと、入学後の教科学習の土台となる「国語力」。「国語力」とはいったいどんな力なのか、どうすれば伸ばすことができるのか。年齢によって自然に身につく力ととらえられていますが、ポイントを押さえることで、飛躍的に伸ばすことができます。今回の特集では伸芽会のノウハウを紹介します。 先生 伸芽会でいう「国語力」とは、「聞く力・話す力・書く力」と、それらを司る「考える力」を、トータルに指しています。具体的には、正しく話を聞いて、正しくその内容を理解し、それを正しく表現することです。入学考査に用いられるさまざまな課題は、この「国語力」がベースになっていると言えます。伸芽会では、小学校2年生程度の国語力を目標にしています。
Practice2 語彙を増やす 会話するときがいいチャンス
まずは、とにかく会話を増やすことが大事です。子どもと会話をするときに、何かを聞いて「はい(うん)「いいえ(ううん)」だけで終わらせるのではなく、なるべく言葉で答えが返ってくるような問いかけをすることが、語彙を増やすことになります。たとえば「お水飲む?」と聞いただけでは「うん(ううん)」で終わってしまいますが、「何を飲みたい?」と聞くことによって、「牛乳が飲みたい」「オレンジジュースが飲みたい」「お水がほしい」などの言葉が返ってくることでしょう。絵本を読み聞かせるのも、語彙を増やすのに効果的です。いままでに聞いたことのない言葉が出てくると、子どもは必ずその意味を聞いてくるものです。そしてその言葉が、ある状況の中で立体的に使われているので、理解しやすいと言えます。
伸芽会の授業では、教師が一方的に語りかけるのではなく、子どもに尋ねて答えさせながら進行していきます。また、ペーパーテストの答え合わせをするときに、その子の答えが間違っていた場合、「どうしてそう思ったの?」と聞くのも同じ理由からです。あるいは絵で子どもに回答させるときに、答えを指で示させるのではなく、「上から○番目です」とか「右から○番目の木です」というように、絵の位置を言葉で表現させる指導が行われています。
Practice3 考えをまとめる 言いたいことを頭の中で整理する
たとえば自己紹介をするには、考えをまとめなくてはなりません。「名前・年齢・幼稚園(保育園)の名前を言ってください」という課題が出されると、子どもたちは自分でその3つを言おうと、頭の中で整理して発音しようとするようになります。伸芽会では、年中から年長の夏前にかけて「発表の時間」という試みを行っています。これは授業が始まる前に、みんなの前で子どもが発表するのですが、何を発表してもいいのです。ちょっとしたテーマを与えて翌日に発表させるということもあります。そういう練習をしながら子どもの様子を見ていて、言いたいことがあるのにうまくまとめられず、困っていたら必要なところで声をかけます。「何て言えばいいか考えているのね。それなら、こう言ってみたら?」と導いてあげるのです。初めのうちは、やりたい子だけにやらせる方法でスタートしますが、だんだん人数が増えていきます。先生の助けを借りながら、友だちのやり方を見ながら、少しずつ考えをまとめる方法を身につけていくのです。