小学校入試はもちろんのこと、入学後の教科学習の土台となる「国語力」。「国語力」とはいったいどんな力なのか、どうすれば伸ばすことができるのか。年齢によって自然に身につく力ととらえられていますが、ポイントを押さえることで、飛躍的に伸ばすことができます。今回の特集では伸芽会のノウハウを紹介します。 先生 伸芽会でいう「国語力」とは、「聞く力・話す力・書く力」と、それらを司る「考える力」を、トータルに指しています。具体的には、正しく話を聞いて、正しくその内容を理解し、それを正しく表現することです。入学考査に用いられるさまざまな課題は、この「国語力」がベースになっていると言えます。伸芽会では、小学校2年生程度の国語力を目標にしています。
「国語力」に関係する最近の出題傾向―先生のコメント
従来ペーパー重視校といわれていた学校でも、行動観察のウエイトが年々高くなってきています。行動観察の中での言語力、国語力は必須です。子どもたちで相談をしてまとめていく過程などで、特に重要になってきます。学習院の先生がおっしゃっていたのですが、今の子どもたちは言語力、特にコミュニケーション力が欠けているので、入試ではそのあたりを見ていこうとしているそうです。その背景には、核家族化や少子化が進み、コミュニケーションの機会が減っていることがあるようです。二十四年度の雙葉小学校の面接で、自分の好きな食べ物を答えたあとに「お父さんの好きな食べ物を知っていますか?」という質問が出て、「知りません」と答えると、「では今ここで聞いてみてください」と言われました。父母子の3人面接で「国語力」を問われる新しい傾向だと思います。する最近の出題傾向 ―先生のコメント
Practice1 聞く 「聞く」ためには 「話す」ことが大事
お子さんに聞く力をつけるには、まずお子さんの話をたくさん聞いてあげることが大事です。一見「話す」のは「聞く」ことと正反対に思えますが、人の話を聞くことができるようになるためには、まず「話す」経験が必要なのです。「自分の話は必ずちゃんと聞いてもらえる」という安心感を与えてあげさえすれば、ほかの人が話しているときに、その人の話を聞くことができるようになります。つまり、話したい意欲を受け入れてもらえることで、人の話もまずは聞こうと言う姿勢ができるのです。人の話を聞くことで、自分の引き出しが増えていきます。友だちの話をしっかりと聞けるお子さんは、いろいろなことをどんどん吸収して、話も上手になっていきます。なかには注意散漫で、話を聞けないお子さんもいますが、そんなときに大声を出しても、かえって耳には入らないものです。逆に声を小さくしてみると、「何を言っているのかな」と耳を傾けてきます。伸芽会の授業では、大事なことを言おうとするときは、「一回だけしか言いませんよ」と言って集中させることから始めます。聞く力は、考査で頻出の<お話の記憶>に直結しています。大人は言葉で聞いたことをそのまま整理できますが、子どもには難しいので、「聞いたことを頭の中でテレビに映しましょう」と言って話の内容をイメージさせるようにすると、記憶に残りやすくなります。