小学校入試はもちろんのこと、入学後の教科学習の土台となる「国語力」。「国語力」とはいったいどんな力なのか、どうすれば伸ばすことができるのか。年齢によって自然に身につく力ととらえられていますが、ポイントを押さえることで、飛躍的に伸ばすことができます。今回の特集では伸芽会のノウハウを紹介します。 先生 伸芽会でいう「国語力」とは、「聞く力・話す力・書く力」と、それらを司る「考える力」を、トータルに指しています。具体的には、正しく話を聞いて、正しくその内容を理解し、それを正しく表現することです。入学考査に用いられるさまざまな課題は、この「国語力」がベースになっていると言えます。伸芽会では、小学校2年生程度の国語力を目標にしています。
面接はもちろんココで問われる!入試によく出る「国語力」の問題
口頭試問 個別テストや集団テストが行われているときに、テスターから口頭でいろいろな質問がなされます。二十四年度の例では、「お名前を教えてください」「お友だちと何をして遊びますか?」「好きな食べ物は何ですか?」(川村小学校) 「お手伝いは何をしますか?」(日本女子大学附属豊明小学校) 「お出かけした日のことをお話ししてください」(明星小学校) などのほか、次のようなものがありました。男の子が注射されている絵を見せられて、「あなたがこのお医者さんだったら、この男の子に何と声をかけますか?」(田園調布雙葉小学校) 「名前の最初に『な』の音がつくものをたくさん言いましょう」「名前の音が2つのもの、3つのものをたくさん言いましょう」(玉川学園小学校) 大きさと材質の違う2つの玉(木の玉、テニスボールなど)と、プラスチックのトレーを渡されて、「この2つの玉の違うところを言いましょう。トレ―を使って調べてもかまいません」(国立学園小学校) お茶の水女子大学附属小学校では、風呂敷で包まれたコップを触って、どんな感じがするかを聞かれました。慶應義塾幼稚舎や東京女学院小学校では、絵画や創作の制作中に「何を描いていますか?」「何を作っていますか?」と質問されたり、学習院初等科では共同制作のあとで何を作ったか聞かれたりしました。ほかに数種類の物が描かれた絵の中から1枚を選んで、なぜ選んだのかを発表する(光塩女子学院初等科、桐明小学校)課題もありました。 しりとり しりとりは、多くはペーパーで出題されます。何枚かの絵があって、しりとりをしながらつなぐという問題です。二十四年度、しりとり問題の出題校は、聖心女子学院初等科、桐蔭学園商学部、国立学園小学校、光塩女子学院初等科、晃華学園小学校などでした。 お話の記憶 国立・私立まんべんなく出るのが、お話の記憶です。音声で聞いたことをイメージして、それを整理して記憶していくことが要求されます。お話に出てきた人物や物、場面、状況について設問があり、ペーパーの絵に丸をつけて答える形式が主です。二十四年度の出題校は、筑波大学附属小学校、東京学芸大学附属大泉小学校などの国立小学校、雙葉小学校、聖心女子学院初等科、暁星小学校などの私立小学校などでした。 お話づくり 絵が描いてある何枚かのカードを見せられて、自分自身でお話をつくるというものです。たとえば二十四年度の精華小学校では、絵本の中の4つの場面がカードになっていて(ただし、1枚はこの絵本の挿絵ではない)それを好きな順番に並べ替えてお話を作りましょう、という課題が出ました。これは得手不得手が非常にはっきり出てくる課題です。求められているのは場面の説明ではなく、その場面の背景にあるストーリーです。男の子が木に登っている絵があったら、なぜ木に登っているのか、このあとどうなって次の場面になったのかがわかるように話す必要があります。お話づくりは国語力の根幹にある総合力を問われる問題なので、集団テストには向きません。慶應義塾幼稚舎や、学習院初等科、青山学院初等部などの個別テストで出される傾向があります。東京学芸大学附属竹早小学校の親子課題では、絵を見せられて「どんなお話か親子で一緒に考えて、自由にお話をしてください」という出題がなされました。 例文を読む 宝仙小学校では、「読み」という課題があり、ひらがなの文章を黙読して質問に答える考査が毎年あります。これは、普段から文字に興味を持ち、絵本などに親しみ、短いひらがな文が読める子どもが望ましいという学校側の考えによっています。カリタス小学校では、ひらがなの短文を音読するのが特徴の一つになっています。二十四年度は、1人ずつ名前を呼ばれたら、紙を見ながら「えほんをかってもらいました」「しゃぼんだまがふわふわとんでいます」といぅった文章を読む課題が出されました。 そのほか二十四年度のペーパーテストで、絵に○をつけて答える問題で、次のようなものがありました。「ふわふわするものはどれでしょうか」「ころころするものはどれでしょうか」(淑徳小学校)「(2軒の家と道路、その中でいろいろなことをしている人の絵があって)『かける』ということをしている人全部に○をつけましょう」(横浜雙葉小学校)