「みんなどうやって保育園を選んでいるの?」「公立保育園に入れなかったらどうしたらいいの?」―大切なわが子を預ける保育園・託児所選びには、迷いがつきものです。今回の特集では、理想的な託児所選びについて改めて考えてみたいと思います。
個別型保育
保育ママ 主に3歳未満の幼児を、各自治体が認定した保育者(主に保育士、幼稚園教諭、教員、看護師など有資格者)の自宅などで保育する。東京都では「家庭福祉員」と呼ばれている。申込みは各自治体あるいは直接「保育ママ」へ。 ファミリーサポートセンター 671自治体(市区町村)※自治体数は厚生労働省調べ(平成23年)。 市区町村ごとの組織が、地域住民に募り、子どもを預かりたい会員および預けたい会員を募集・斡旋。原則として保育者の自宅で保育する。 ベビーシッター ベビーシッター会社(社団法人や各種連盟、NPO法人などもあり)に登録されたシッターが依頼者の自宅などに派遣され、保育を行う。ベビーシッターの質や料金は企業や組織によってさまざま。 民間保育ママ 専業主婦の母親が育児ボランティアとして出張する、あるいは自宅で子どもを預かる。民間の育児ボランティア団体やNPOや生協の互助組織などが運営。資格要件は育児経験があり保育の場を提供できる者。
世界の子育て事情 伸芽’Sクラブには、海外赴任などで海外の子育て経験が豊富なご家庭が多いのが特徴です。世界各国には、どんな子育て支援があるのでしょうか。ここでは世界に目を向けて世界の子育て支援を比較してみましょう。
デンマーク 世界に名だたる社会福祉国家。「“すべての人が共に生きる社会”を目指すという概念」=「ノーマライゼーション」を発信した国です。 育児・教育観 ●家庭での子育てを支えるサービス 子どもの発育にとって家庭こそが基本の場所であり、子どもの育成は親の責任であるという考え方が一般的な社会通念としてあります。行政の支援は、家庭の子育ての質を上げることを目的としています。
スウェーデン 女性の社会参画が進み、女性の就業率は世界トップ。世界のなかでも高い女性就業率を支える保育サービスが特徴です。 育児・教育観 ●福祉から教育へ移行する保育 保育が福祉政策から教育制作に大きく変わりつつあっても、スウェーデンの保育には受け継がれているよき伝統が残っています。1~3歳、3~6歳のグループ分けによる異年齢の縦割り保育を行い、小規模で家庭的な雰囲気を大切にしています(保育園内の児童の数は日本の約4分の1)。
フランス 「自由、平等、博愛」を掲げて誇り高い国政を行う、徹底した自由と自己責任の国。子どもへの投資を惜しまない国としても知られています。 育児・教育観 ●熱意ある育児・教育支援への取り組み 「教育の平等」をうたう一方で、少数精鋭のエリート教育にも注力。教育にかける熱意は、幼児期にまでおよび、日本の幼稚園にあたる「保育学校」は小学校の準備期間と位置づけています。満2歳8ヶ月から入園可能で全面的に無料。義務教育は6歳~16歳で、小学校でも落第・飛び級があります。
ニュージーランド 社会福祉や教育制度で世界をリードしてきた国。“博愛の精神”で育児支援をはじめとする多くの社会活動を支えあっています。 育児・教育観 保育園も学びの場として 女性の就労率がアップし、保育園の質向上を求めて「保育には教育が必要」という考えが生まれ、教育と保育を統合した「エデュケア」という概念が広まり、幼・保の一元体制を実施。就学前教育カリキュラムが作成され、保育は異なる託児所ではなく、「学ぶ力をつけさせる」ことが大きな保育目標に。
カナダ それぞれの民族の文化を大切にし、高い人権意識を持つ国。障害者、女性、子どもなど社会的弱者に対し、具体的な人権擁護活動を展開しています。 育児・教育観 ●市民活動に支えられている子育て支援 「母親が一人で育児を背負い込む必要はなく、援助が必要と言ってよい」という考えがカナダの子育てのスローガンです。「24時間親でいるのはたいへんなこと。親には援助が必要」という共通認識があり、親が子育てに自信を持てるようサポートするのがカナダ流の子育て支になっています。
アメリカ 自主自立、自助努力の精神が子育てにも垣間見られるアメリカ。育児を楽しむ国民性と高い出生率も特徴です。 育児・教育観 ●保守的な育児観と軽視される保育 「子育ては家庭でするのが当たり前」「保育はただの子守」という概念が強く残り、公的サービスが送れ、育休や手当ての制度もなく、国家的カリキュラムもありません。保育園などの託児施設が不足し、家庭的保育園、親族、ベビーシッターに預けます。可能な職場なら子連れで出勤する人も。