お悩み。子どもの個性や生きる力をのばすことと、中学受験をどう両立させればいいのでしょうか。
お答えします。 幸せに生きるために自己表現力をつける。
子どもの頃に力に合った中学に入れればいいと思います。小学校のことから親が無理をさせすぎて、子ども自身がやりたいことに熱中する経験を持たないまま大人になると、自分のやりたいことを自分で決めてやりぬく「自己実現力」が育たなくなります。私の知ってい小学5年生の男の子は、機械工作が好きでハンダ付けも上手にできます。組み立てキットでは飽きたらず、それらを組み合わせてオリジナルの作品も作っている。もしかしたら高校生よりも、電子機械に詳しいかもしれません。このまま力を伸ばしていけば、技術者としてどんな企業もほしがる人材になれますよ。いま、社会で求められているのは、いわれたことをこなす歯車のような人材ではなく、アイデアと実行力を兼ね備えビジネスを切り開く人です。どこの学校・会社に入るかではなく、そこで自分が何をしたいかが重要です。それを見つけられないと、どんな職業についても幸せになれないと思います。親は子どもの興味関心を最優先にし、得意なことを伸ばしてほしいです。 ●2011年11月5日(土)朝日新聞朝刊掲載分を転載しています。