TARGET 02 慶應義塾横浜初等部 溢れる熱い思いを伝えられる子を
今年出された課題の一部 1次【ペーパーテスト】
<話の理解>「間をあけて三角を2つかきましょう。それから2つの三角の間に○をかきましょう」
<位置>マス目にいろいろな絵が描いてあり「下から3段目の右から2番目の絵に桃色のクレヨンで○をつけましょう」
<推理・思考>あるものが、①ハサミの絵の■を通ると半分の形、②コマの絵を通ると反転した形、③風車の絵を通ると180度回転した形になる。「では、これが②→③→①と通るとどんな形になるでしょう」
2次【制作/自由遊び】
■男子:ビニール袋、紙皿、紙コップ、ストローなどで恐竜の洋服を作り、着て遊ぶ。あるいは段ボール箱で電車を作って遊ぶ。
■女子:凧上げをしていた女の子が、風で空に舞い上がってしまったお話を聞いたあと、うちわと画用紙とストローで「空を自由に飛べる羽根」を作り、それを使って遊ぶ。あるいは画用紙、紙皿、わりばしなどでペープサートを作り、グループで自由に劇遊びをする。
【運動】
模倣体操のあと、指示通りに連続運動をする。
課題のポイントはここだ!
1次テストでは、先生の指示通りに図形をかけるか、上下左右の位置関係が理解できているか、ある形を頭の中で変化させることができるかなど、小学校生活で必要となる基礎能力を見られる。1次選考を通った後の2次テストでは、自由遊びではなく、課題遊びに近いものが出された。このとき、制作活動と遊びにどれだけ生き生きと取り組めるかが重要。運動に関しては、慶応義塾幼稚舎と同様、福澤諭吉の思想に基づいて、学業のベースとなる体がしっかり育っているかどうかが考査される。開校3年目にして、学校が求めている「勉学も遊びも長けている子ども像」が明確になってきたと言えるだろう。
先生からのコメント
失敗を恐れずのびのびと表現しよう
どんな子が合格したか
2次テストでは、「自分が作ったものでみんなと遊ぶ」という課題が出されました。
ポイントは2つあります。1つは作品制作への姿勢です。作品の優劣というよりも、制作しているものへの強い思いがあるかどうかが見られています。ただ言われたものを作っているだけでは、話しかけられたときに、広がりのある受け答えはできません。なぜそれを作りたいのかを、熱意を持って話せるかどうかが重要になってきます。
2つ目は、作ったもので遊ぶ時です。思いが強ければ目も輝きますし、心から楽しんでみんなと遊べます。二子玉川教室から合格したお子さんは、電車作りの課題で、宇宙に飛び立てる翼つきの電車を制作したそうです。こんなの作っていいのかなと思っても、あえて失敗や間違いを恐れず、楽しく表現できることが決め手になります。
家庭でやっておくべき準備
その子の得意な面を、ご家庭でも評価して育てることが大切です。例えば翼のある電車を作って合格を手にしたお子さんは、休日にご一家でいろいろな経験をして、それを伸芽会で絵や制作の素材にしていました。ご近所の自然を散策して季節感を養い、裏山の林を利用して木登りに挑戦してみるなど、体力アップを図りました。また電車が大好きだったので各地の電車に乗るたびに絵を描き、ご家族はいつもほめてあげていました。しかしあいさつなどの基本的なしつけは厳しく、愛情とのバランスを、非常にうまくまとめることができたケースです。