今年もあこがれの門をくぐって、新1年生が登校して行きます。 名門小学校では、それぞれ試験内容と求める子ども像が異なります。 ここでは今年度入試を振り返り、合格につながる対策をお伝えします。
2015 入試総括 行動観察で力を発揮する子を育てよう
数年前から多くの学校では行動観察や、制作などにおける手先の使い方が特に注視される傾向があります。行動観察に関しては、少子化時代の地域と生活の変化で、子どもが外で遊ばなくなり、異年齢の子ども同士の交流が減っていることから、入学後の集団生活の中での適応力が見られていることが挙げられます。
さらに世の中が急速に便利になったことが小さな子どもたちにも影響を与え、本来なら幼少時に身につけておいてほしい手先の作業ができない子が増えているのも事実です。
青山学院初等部で今年、ネジが途中まで差してある木が用意されており、「何かを使ってもっと締めなさい」という課題が出ました。
スパナなどの締める道具がなければ、あれこれ知恵を出して代用品を用いることが必要です。
しかし、最近は子どもたちにこのような経験が少なく、どうしたらよいかわからないことが多いようです。このような状況に鑑み、とりわけ低学年では五感を大事にしたいという学校が多くなっていると思われます。緑の多い環境で交通の便にさほど不自由しない地域に新しい学校ができているのも、自然の中での体験をできるだけ与えていこうという現れではないでしょうか。やはり幼少期には自然とふれ会い四季を感じる体験を多くさせてやりたいものです。
また行動観察で与えられる「作戦タイム」は、各グループが自分たちだけで遊び方を修正できるかどうかが見られているようです。最初の相談だけでうまくいかないことは試験官には織り込み済みで、子どもたちに作戦会議をさせる。その時、メンバー全員が足並みをそろえられる方法を考えて「じゃあ、こうしよう」と提案できる子であるかどうか。
そのためには、生活習慣や遊びの中でできるだけ多くの体験をさせる必要があります。体験の量が多ければ多いほど、さまざまな手段が浮かび、いろいろな対応ができます。そこから学ぶこともたくさんあります。そうした豊富な体験の中で自信がついたお子さんが、最終的に合格切符を手にするのです。