特集3 「入学準備はOK?」小1までにやっておきたい算数・国語の基礎
いよいよ受験本番が近づいてきました。
当日に向けて、さまざまな課題をこなしているお子様が、これまで蓄えてきた力を入学後もゆたかにのびやかにはぐくむためには、どうすればよいのでしょうか?
合格がゴールではありません。この特集では、合格してから入学するまでにやっておきたい準備についてご紹介します。
入学してから力を伸ばすためには単なる先取りではなく、お子様の興味を引き出すことが大事です。
小学校受験では、字の読み書きや、数学の計算のような課題は出されません。しかし翌年、小学校へ通い始めれば、すぐに国語や算数の勉強が始まります。
合格してから入学するまでの数か月間、すっかり安心して特に何もせず過ごしていると、受験期の取り組みを通して培った力が失速してしまうことがあります。
小学校に入学され、久しぶりに伸芽会を訪ねてきたお子様が、照れてもじもじしたり、あちこち見回して落ち着きがなかったりするのを見て、担当した教師が「あれだけちゃんとできていたのに、どうしたの?」と当惑することも時に起こります。そんな話を耳にするたびに、私はなんてもったいないことだろうと思うのです。受験が終わった直後は、先生の話をしっかり聞いて内容を理解し、課題に集中する力がついているのですから、その力を保持のみならず、いっそう自信を持って小学校に行けるようにしたいものです。
とはいえ、いきなり小学校の勉強を詰め込もうとしても、お子様には手がかりがありません。単なる算数や国語の教科書の先取りでは、興味を持たせにくいでしょう。
そうではなく、楽しく機知に富んだ遊びを混ぜながら、読む楽しさや聞く楽しさ、字が書ける喜びをお子様が自分のものにする―細やかに小学校生活への橋渡しをすることが大切です。
ゲーム感覚で数的センスを磨く
お子様はこれまで「くまさんがりんごを3つもらいました。そして木から2つとりました。そこへうさぎさんが来たので1つあげました。くまさんはいくつ持てますか?」といった課題に取り組んできました。10までの数でこのような計算ができているならば、次は20までの数を足したり引いたりしてみましょう。それには「合成・分解」という手法が役に立ちます。10は5と5に分けられるし、3と7、4と6にも分けられるということを、積み木などの具体物を使って理解させます。具体物を手にしての学びはゲーム感覚もあり、楽しみながら取り組めるでしょう。そうして徐々に<繰り上がり・繰り下がり>ができるようになるまで挑戦させてください。
数の仕組みの面白さを体現しながら、「わかった!」「できた!」体験を積むことで自然と数的センスが身につき、算数への意欲が培われるのです。