名門小学校の入試問題に挑戦! 伸芽会教育研究所監修
名門小学校が求めるのは、知識を詰め込んだ頭でっかちな子どもではなく、発想力豊かな子どもです。
名門校の入試問題には、子どもの発想力を伸ばすヒントが詰まっています。ぜひ挑戦してみてください。
慶応義塾横浜初等部編【2014年度男子問題出題例】
問題
次のお話はどの昔話のものでしょう。そのお話だと思う絵を探して、言われた色のクレヨンで○をつけましょう。
①「タヌキは、おばあさんを棒でたたいて逃げて行ってしまいました。それを聞いたウサギはタヌキをこらしめてやろうと思いました」
このお話は何のお話か考えて、そのお話の絵に青で○をつけましょう。
②「裏の畑でイヌのポチがワンワン吠えています。おじいさんが行ってみると、まるで、ここを掘って、と言うようにポチが畑を一生懸命、足で引っ掻いています」
このお話の絵に黒で○をつけましょう。
③「兵隊たちが姫を守ろうとしましたが、刀も弓矢も何の役にもたたず、お姫様はお迎えの輿に乗せられて、月へと帰っていきました」
このお話の絵に赤で○をつけましょう。
■解答:①下段左 ②下段右 ③上段中央
2014年度 慶応義塾横浜初等部 ~常識の問題から~
知識だけでなく、子どもの心を 豊かにする道徳や行事を伝えることが大切です。
幼児にとっての常識のひとつが道徳です。子どもの興味をひくおもちゃやキャラクターがあふれている現代の生活ですが、昔話は両親だけでなく、祖父母やまわりのおとなとも共通する素材です。絵本やDVDに頼ることなく、たまには素話で子どもの顔を見ながらお話を聞かせてあげましょう。親との接点が多いほど、子どもは多くのメッセージを親から受け取ることができます。知識だけでなく、道徳や行事など子どもの心を豊にするような、また子どもに伝えるべきことをきちんと伝えているご家庭かどうかが常識の問題を通じてわかります。慶応義塾横浜初等部は、昨年度は童謡や昔話の歌を聞かせて歌と仲よしの絵を選ばせるといった問題が出題されています。いずれにしても、家庭の姿勢を重視する初等部の姿勢がうかがえます。
子どもとの関わりのなかで、子どもの心に何を育てていくか……。子どもの興味だけでなく、親の演出する世界に子どもを引き込むことによって、子どもの世界を広げてあげましょう。知らない昔話や物語であってもお話の内容を推測し、描いてある絵からどのようにおもしろさを感じるか、子どもの感性も問われます。