【手先の器用さを伸ばす言葉】自分の手を応援してあげて!
名門小学校の入学試験のなかでよく問われるのが、“巧緻性”=“手先の器用さ”です。この能力を幼児期に鍛えることは脳の発達に大きく影響し、子どもの知能を高めることができるといわれています。今回は“巧緻性”を伸ばす言葉をご紹介しましょう。
「モールをねじって、輪っかを作りましょう。モールの先が飛び出していると危ないから、ひねって輪に巻きつけてね」これは、伸芽会での制作のひとコマです。教師がゆっくりお手本を見せながら、“ねじる”にはどこに力を入れればよいか、“巻きつける”とはどういうことかなど、言葉の意味する行為を、実際に体験しながら覚えていきます。
意外かもしれませんが、手先の作業で大切なのは“手先を見る”という目の作業です。目の前で先生がやるお手本通りに、自分の手を操れるかどうか、つまり、“見る力”がポイントになります。
“手先の器用さ”が必要になってくるような課題に取り組むとき、そういった作業が苦手な子どもには何かしらの原因があります。
たとえばまわりのお友だちが気になって作業に集中できていなかったり、先生のほうばかり見て、「できない、できない」と言っていたりするケースが多いのです。実は、きちんと手元を見ていないことが原因だったりします。
そこで伸芽会の授業では、手元を見ていない子どもにこんな魔法の言葉をかけます。
「自分の手を応援してあげて!」
上手にできるように自分の手を応援してあげると、自然に子どもの目線が手元に下りるのです。
さらに細かい作業を求められるようなものでは、「今、あなたの指はどんなお仕事をしているの?」と、指を見るように声をかけてあげるととても効果的です。
ご家庭でも、手先を使うことを大事にしてみてください。
たとえば箸を使うときには「ハンバーグをお口に入る大きさにしてみようか」と、具体的な目的を伝えながらお手本を見せて一緒に挑戦します。また、お手伝いのなかで洗濯ばさみや輪ゴムを使ってみましょう。こうしたご家庭でのさまざまな場面で巧緻性を高めることができます。
そして、お手本は、ゆっくりていねいに見せてあげることが肝心です。さらにお手本と同時に言葉で説明するとよりわかりやすくなります。「丸を描くように」「指でなぞるように」など、できるだけ具体的な言葉がけをして、ゆっくりとていねいに説明してあげてください。
NGワード『なんでできないの?』
子どもにできない理由を聞くのはNG。大人のお手本が的確でなかったり、説明不足だったりしませんか?わかりやすい言葉や表現を心がけてください。