4~6歳
毎日のお手伝いが、知・心・体をはぐくむ
親子で家事の時間を活用
小学校受験では、お子様がこれまでにどんな体験をして、どのように成長してきたのかを、知・心・体の面から総合的に評価します。ここでは、ペーパー、行動観察、絵画制作という3つの領域に分けて、家庭学習のポイントをお話ししましょう。
まずはペーパーの基本部分は伸芽‘Sクラブで経験してもらえるよう、カリキュラムが組まれています。そのうえで、お子様がやりたくなったときにいつでも復習できるよう、ご家庭でも積み木やブロック、パズルなどの教材があるとよいでしょう。伸芽’Sクラブのペーパー学習用教材には項目別問題集「ステップナビ」からの抜粋問題もあり、忙しくてご家庭での指導ができなくても、託児時間中に基礎をはぐくみます。お子様の苦手な分野を抜き出して、平日朝夕の短い時間で強化することもできます。
次に行動観察ですが、これは家庭教育がもっともよく表われる領域です。お子様には毎日、何かお手伝いをさせてください。たとえば朝のカーテン開け、新聞をとってくる、靴を揃えるなど、毎日必ずすべきことで、お子さんにとって重荷にならない程度の内容にします。家族の一員としてこうしたお手伝いを続けることで、お子様のなかには自立心や協調性が芽生えますし、段取りのコツや、時間も意識できるようになります。気が向く、向かないに関わらず、自分のすべきことをきちんとこなす習慣は、6歳までに身につけたいものです。お母様にとっても、お子様とともに家事ができれば時間の有効活用になるでしょう。お皿を棚の上下左右のどこにしまうのか、夕食のおかずをどのように分配するかなど、お手伝いは言葉や数を知る土壌ともなるのです。また、大人の会話に割り込まない、公的な場での振る舞いなど、社会の規則が理解できているかどうかも試験では見られていますので、機会のあるごとに意識して身につけさせましょう。
正しい言葉で説明させる
絵画や工作などで、手首をひねってセロハンテープを切る、2つのものをテープでつなぐなど、特に手先の巧緻性をご家庭でも身につけられるよう意識していろいろな用具に触れさせてあげてください。また、写生も目の前にあるものをそのまま具象化する訓練になります。
最後に、この年齢のお子様との会話では、主語・述語をきちんと入れて状況を説明させたり、擬態語や擬音語を取り入れ、情感豊かな会話を心がけましょう。
領域別家庭学習のポイント
① ペーパー お子様のやる気に応じて、伸芽会や伸芽‘Sクラブで学んだ内容の復習ができるようにご家庭にも教材を備えておきます。問題集は不足していると思う内容を抜き出して短い時間で補いましょう。
② 行動観察 毎日のお手伝いを通して親子で会話をし、自立心・協調性を養います。おっとりしたお子様だったら時間を決めて、親子で何枚洗濯物がたためるか競うなどして「作業力」を意識させます。
③ 絵画制作野菜やお花、好きなおもちゃなど、具体物をよく見て描く写生画は、観察力を伸ばすよい課題です。さらに進んで、はじめにリンゴをよく観察し、食べてしまったあと、頭にあるイメージだけを頼りに描いてみるのもよいでしょう。一方、お話や音楽を聴いて、イメージしたものを描いたり、空き箱やきれいな紙から好きなものを作ったりすることは、創造性を伸ばし、豊かな想像力を養います。