幼少期に運動能力を鍛えることは自信を育て、脳の発達も促します
「ハイ、並んでください、次は、側転をやります」
年中クラスの体操教室では、柔軟体操を終えた子どもたちが先生の指示に従って前転や逆立ち、さらには側転連続3回といった大技に挑戦していました。先週まで側転ができなかった子も、この日は先生の補助でコツをつかみ、くるりくるり。最後のポーズも得意満面の笑顔で決めてくれました。
2歳から12歳までの幼少期は、脳や神経系の発達が盛んな時期です。運動能力とバランス感覚が発達するこの時期に運動にどう取り組むかが、運動能力を決定づけるとされています。「できれば恐怖心が芽生えない2歳頃から身体を動かす習慣をつけるといいですね。ボール運動、マット運動、縄跳びなどをバランスよく行っていくことが大切です。体を動かすコツさえ覚えれば、どんなお子さんでも運動能力は伸びていきます」と体操の先生。
ボールつきができない子には「手首を固定して」とコツを伝え、ゴム跳びが続かないときは「膝を上げて」とアドバイスをするだけで、子どもたちは簡単に苦手を克服していくそうです。その経験を自信にし、どんな状況でも力を発揮できる積極性を育てていくのが体操教室の目的だと先生は話します。
また、指示を聞き、動きを記憶し、上達する方法を自分で考えることは、脳の発達も促します。幼少期から体操に親しむことも、未来の可能性を広げるタネまきのひとつなのです。